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2016年7月5日 火曜日配信  文 スタッフ-matsumoto

ものづくりを支える溶接技術


コラム 溶接 機械の転職
近代溶接が日本に導入されて何年になるかというのは、実はきちんと規定することは必ずしも容易ではありません。
およそ120年くらいであるというのが定説です。
それ以来、溶接技術の発展は日に日に進歩していて、技術革新を重ねながら今日に至り、ものづくりの重要な基礎をに担っています。  
溶接技術は成熟したとはよく言われますが、それは極めて一面的な見方です。
溶接プロセス一つをとってみても、もちろん主流はアーク溶接ではありますが、レーザ溶接が発展し、FSW(摩擦攪拌接合)が登場してきているように多様な展開となってきています。  
とくに、材料が多様化する時代となって、その接合技術はますます脚光を浴びてきています。
極めて複合的であり、重層的な傾向にあり、接合できない材料は使えない、と言われるほどですが、それはそのまま、あらゆるプロセスを駆使して接合するということにほかなりません。
つまり、溶接接合技術が、材料を制し、製品や構造物の設計に大きな影響を与えるようになってきているのです。  

また、溶接は工業にとって不可欠の生産技術であり、その生産性も重要であるため、溶接の自動化やロボット化が図られてきました。
とくに、ロボット化ということではあらゆる工業技術の中で溶接が最も進んでいますし、世界においても日本の最も得意とするところです。  
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溶接材料の生産量は、溶接工業のある種指標になるものですが、今日では30万トン前後にまで減少しているのが実態です。  
さらに、溶接への従事者数もかつては40万人を超えていましたが、現在では25万人程度とみられ、溶接材料同様に大きな変動となっています。  
これは、工場の海外への移転など様々な要因があるようですが、溶接技術の革新によって使用する溶接材料の種類も変わったり生産性が著しく向上したことも大きな理由のようです。  
ただ、溶接の自動化やロボット化がどのように進んでも、溶接は人間の技量に負うところが大きく、人材確保と技能の伝承は差し迫って重要なことであり、永遠の課題でもあります。  
とくに、技能者が高齢化し、人手不足が深刻化している今日の状況では、若年層を溶接に引き込むことが最も必要です。
そのため高校生溶接コンクールなど、高校生や女性の溶接への参入を促す活動が活発化しています。

溶接は自動車や建築などと縦割りの業界ではなく、あくまでも横に広がるもののため、必ずしも産業を揺るがすようなものではありませんが、その盛り上がりを応援し、今後の展開に期待したいですね。
高校生溶接コンクールの様子
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